一つ上の先輩で、かっこよくて優しい人だ。


って言っても私は一回しか話したことがないけど。





夏休み前。図書委員に任命された私は図書室へと本を運んでいた。


女子なのに全くおかまいなしのその量。
前が全く見えなくて、ある人とぶつかってしまった。




それが、井上先輩でした。







『すいません…!大丈夫ですか!?痛くないですか!?』

『はは…大丈夫大丈夫。てか本持ちすぎじゃない?』

『ほんとひどいですよね!図書委員ってこんなにコキ使われるもんなんでしょうか!』

『え、君もなの?俺も図書委員だよ』




ぶつかったのに嫌な顔一つしないで笑って許してくれた。


そしてその本を一緒に半分こして持っていってくれた。