あーこれまじで遅刻するわ~。いそがねぇと最終のバス逃しちまうな。


翔は走り出した。
するとふと向こうに何か見つけた。



なんだ?あのじいさん。道の真ん中に座り込んで何してんだ?しかも傘さしてねえしよ…


急いでんのに…しょうがねえな。



「おい、じいちゃん。んなとこに座ってちゃだめじゃねえか。風邪ひいちまうよ。
この傘あげるから、早く家帰んなよ。」



するとじいさんは顔を上げ、物珍しそうに俺の顔を見た。ややあってにやっと笑ってこう言った。

「お前、わしが見えるんか。」