そして、まだ走っていた私…


 廊下の角を曲がった瞬間、誰かとぶつかってしまった。


「あっ、ごめんなさい!」


 私が慌てて謝り、顔を上げると、そこには先生らしき人…


(やっばー・・・)


「ん? 誰だね君は・・・。ウチの生徒じゃないだろう?」


 そう言われて、私は後ずさった。


(流石に先生には誤魔化しきかないよね・・・。ここはやっぱ・・・)


 
(逃げるべし)


 そして、また元来た道を後戻り…


「こらっ、待ちなさい!」


(ひぇぇぇ)


 グイッと、誰かに腕を引かれた感覚。


「え?」


 気付くと、どこかの空き教室に引っ張り込まれており、口は何者かの手によって塞がれていた。