「放課後はいっつもバスケやってっけどな☆」


 知ってます。そう言いかけた言葉を飲み込んだ。


「じゃあ・・・体育館の場所、教えてもらっても良いですか?」


「オッケー」


 そう言うと彼ははにかんで、体育館までの道を教えてくれた。


「そいや、アイツに何の用?」


(マズイ・・・聞いてこないと思って油断してた)


「あ・・・その・・・ごめんなさいっ!」


「へ?」


「・・・じゃなくて・・・ありがとうございました!」


 そう言い残し、私はダッシュで逃げた…。