「好き!」
なんて大きな声で言えたら、
「大好き!」
なんて素直に伝えられたら、
どれだけ気持ちはスッキリするのか。
なんて思う今日この頃─…。
毎日「好き」と言う気持ちの氷は
君の暖かさで溶け、
心に水溜まりを作る。
だから、モヤモヤする。
「あーっ!!モヤモヤする!」
「ゆうちゃんまた考え事?」
「考え事じゃないよ、これは。」
こんな会話、昨日もしたっけ。
なーんて思いながら
また、自分の世界に入る私は
南川夕日、15歳。
自称、心の引きこもり少女。
そして恋する乙女─…。
「ゆうちゃん次教室移動だよ!」
「私、ちょいとさぼる!」
「ダ、ダメだよっ!」
「平気平気!じゃあね!」
軽く別れの挨拶を告げ、
向かう先はアイツが主の展望台。
いわゆる、屋上。
ガチャッ
「玉森ーーい!」
「あぁっ?」
私の大きな叫びに小さい返事が
帰ってくる、いつもの事。
「あーまた、パン食べてる」
「良いでしょ!食べる?」
「Yes!」
「あげるわけねーよ、バーカ。」
「うっざ。」
こんな事も、日常茶飯事。
いつになったら変わるのだろうか。