力が入らず、ベッドまで床を這い蹲りながら移動した。
――きつく閉めていたまぶたを、ゆっくり・・・
ゆっくり、あける。
ほっぺから唇まで、道路で擦ったような跡。
とても深い傷だった。
――生まれてから、とても大切に育ててきたのに。
女の子だから、顔だけは傷つけないようにって、
注意してたのに・・・
香矢にこんなに辛い思いまでさせて。
私、母親失格だ・・・
弱弱しく動いていた、
心臓の脈を図る機械が。
ピッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・
小さな病室に、
悲しく鳴り響いた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…