力が入らず、ベッドまで床を這い蹲りながら移動した。


――きつく閉めていたまぶたを、ゆっくり・・・

ゆっくり、あける。

ほっぺから唇まで、道路で擦ったような跡。

とても深い傷だった。


――生まれてから、とても大切に育ててきたのに。

女の子だから、顔だけは傷つけないようにって、

注意してたのに・・・

香矢にこんなに辛い思いまでさせて。

私、母親失格だ・・・


弱弱しく動いていた、

心臓の脈を図る機械が。




ピッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・




小さな病室に、

悲しく鳴り響いた。