「お母さん、香矢さんですよ・・・」


一人の医者が、

小さくいった。

そういわれ、頭がパニックになる。


「違う!違います!!香矢はドコですか?!あわせてください!!」

「お母さん、落ち着いてください!香矢さんは、ここにいますから。」

「香矢じゃない!かわいそうじゃない・・・早く、早くあわせて!!」


涙とともに、床にしゃがみこむ。

医者が私の肩を支えた。

香矢・・・なの?

本当に、本当に、香矢なの?


――しばらく黙り込んで、

決意した。

母親が弱気でどうするの・・・。