目を開けた私に

そっと
声をかけてくる白衣の人。


「……良かった。
凜、目が覚めたんだね。」

優しそうな印象の
その男の人はそう言った。


凜…、?

だれのことなのかな。




「……凜?」

訳が分からなくて
ぼーっとしていると

白衣の男の人は心配そうに、
私の顔をまた覗き込んだ。




「……ここは、あなたは?」


私の発した言葉に、
白衣の人は目を見開く。

まるで信じられないものを
見るように。




「……凜?」

今度は私の存在を
確かめるような声音だった。