「…そうですか。
けど、
少し顔が赤いようなんですが

大丈夫ですか?」

すっと、長い先生の冷たい手が
私のおでこにあてられた。

「んー。
熱はないみたいですね。
記憶の方も最近は戻りつつありますし、
この調子なら
近いうちに退院できますよ。」




その言葉に胸がズキンと痛んだ。


「……?」

訳が分からない気持ちに、
痛んだ胸をとっさに押さえてしまった。