…………ん?
そういえば太陽君凄い事言って無かった!?
さっきの事を思い返す……
――「良いから俺の女放せつってんだよ!!」――
……!!
嘘!!さっきは怖すぎて考え切れなかったけど……え?え?
1人でワタワタする。
しかも…思い切り泣いて頭まで撫でてもらって……
わぁ――――!!
『………っ!!』
声にならない悲鳴を洩らしながら、足をバタつかせ、枕に顔を押し付ける。
いやいや、あれはきっとあたしを助けてくれる為できっと深い意味なんて無いんだよ…うん!きっとそう!
そう自分に言い聞かせる。
ていうか、あたし本当に太陽君に迷惑かけすぎだよね……。
ううん。太陽君だけじゃないや、今日はりっちゃん達にも心配かけちゃったし……。
なんか…落ち込んできた…。
そういえば智也も探してくれてたんだっけ?
なんか変な所で立ち止まって、ぼーっとしてたけど…。
ま、良いか。
『はぁ…。それより月曜日からどうしよぉ…』
暑さのせいか色んな所に飛ぶ思考の中で、また太陽君の事が頭を過り、再び枕に顔を押し付けた。
――バンッ!
「全員乗ったわねー?じゃあ行くわよ!」
エンジンがかかり車が動き出す。
あの文化祭から1週間が経った日曜日、今日は珍しくお母さんが休日休みで、家族全員(父を除く)で新しく出来た大型ショッピングモールに行く事になった。
『はぁ…』
流れて行く景色を助手席から眺めながらため息を尽く。
明日からまた学校か……。
何でこんなに憂鬱に思ってるのかというと…――――――
――文化祭に行った日から週があけた月曜日。
いつものようにギリギリの時間に着いたあたし。
だけど……
「おはよう向日葵ちゃん」
――ドキッ!
いつもあたしよりもっとギリギリに来ている太陽君がもう来てて爽やかな笑顔で言ってきた…。
その笑顔に胸がドキッとして……
『お、おはょ…』
下を向いて小さな声で言うのがいっぱいいっぱいだった…。
「元気無いね?どうかした?」
心配してくれてるのかあたしの顔を覗き込みながら言う。
『…っ。な、なんでも無いよ!』
少し後退りながら言う。
「ねぇ……」
――ガラカラッ
「おらぁーお前ら席つけ――!」
太陽君が何か言いかけた所でみっちゃんがタイミング良く入ってきた。
「みっちゃん早えーよ!本鈴まだなって無いから!」
「バカたれ!予鈴で座っとくのが普通だ。良いからとっととみんな座れー!」
ガタガタとみんなが席に着く。
「よし!ん?朝倉?朝倉向日葵!どうした、具合でも悪いのか?」
『へ…?いえ!全然元気ですけど…』
「なら、早く座れ。立ってるのお前だけだぞ」
『え゛!』
いっぱいいっぱいで席に着くのも忘れていたあたし。
周りを見るとみんながクスクスと笑っている…。
ひぇぇ~///
『す、すいません…』
そう、小さく言って席に着いた。
隠れたい!
――そんなこんなで
1週間、何かと理由を付けて太陽君を避けまくってしまったんだ。