「本当に~?」
『居ないってば!』
むきになって言い返す。
「ふ~ん…。じゃあ彼氏が出来たら教えてね?」
『…出来たらね』
出来る訳ないよ…
相手も居ないのに。
…太陽君は友達なんだから…。
――その後、なんかのパーティー?
って位の量のご飯を食べながらも何故か上の空だった。
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友達だって思ってた。
ドキドキする胸も
側に居ると安心するのも
気のせいだよ…
友達だから…
だって思ってた。
ねぇ…大事な事って何で中々気付けないのかな…?
もう…今更遅いの…?
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――土曜日。今日は文化祭に行く日です!
…なんですが…
「ひまねぇちゃん!さくらもかみやってぇ~」
『えぇ~!今日桜、保育園お休みだからそのままで良いんじゃない?』
出掛ける前に、たまにはと思ってコテで髪を巻いていると、桜が寄って来た…
時間無いのにぃ~!
「やっ!ひまねぇちゃんだけズルい!さくらもくるくるするのぉ~!」
『お姉ちゃん急いでるから帰ってからね?』
「やぁあ~!!」
どーしよ…。
「ふぁぁー…。何騒いでんだよ」
良い所に蓮輝が起きて来た!
『ごめん!桜!蓮輝にやってもらって!』
「はぁ~?何をだよ?」
『桜に聞いて!あたし行くから!悪いけど、桜と楓よろしくね!』
そう言い、急いでバックを掴み、玄関に向かう。
「くるくるやって~!」
「くるくるって何だよ!?」
そんな声を聞きながら家を逃げるように出た。
ごめん!蓮輝!!
将武高校は、家の最寄り駅から丁度あたし達が通ってる高校と反対側の電車で2つ目の駅で降りる。
その駅に待ち合わせギリギリの時間で到着したあたしは走った。
改札の出前まで来ると、もうすでに3人が来ていた。
…何か目立って無い?
周りの文化祭に来たっぽい人達がちらちらと3人の方を見ている。
いつも一緒にいるから、忘れちゃうけど
りっちゃんは背が高くてスタイル良いし、美人。
龍君と太陽君はタイプが違うけど、2人とも背が高くて格好良い。
…何かあたしだけ違くない?
「…ちょっと!向日葵!あんたそんな所突っ立って何やってんのよ!」
『へ…?あぁ!すいません!』
改札出る前の所で考え込んで居たため、後ろの人のかなり邪魔になっていた…
急いで改札を抜け、りっちゃん達のもとへ駆け寄る。
『ごめんね!遅くなって!』
「大丈夫だよ!」
「そうそう。文化祭は逃げないんだからさ!」
龍君…逃げないって…。
「全く、ほら行くわよ!」
そう言って、龍君と先に歩いて行く。