「法を犯していない人間でさえろくな人間がいないのに、ましてや罪を犯し、逮捕された人間の言葉など信じることができますか?」



私の答えは、ノーだ。




しかし、佐藤刑事は違った。




ある時、自分は無罪だと主張する強盗が居た。




必死で無罪を主張する強盗。




熱弁を奮われても私には、最後の悪あがきにしか見えなかった。




冷めた目で犯人を観察していた私の横で、佐藤刑事は、熱心に彼の言葉に耳を傾けていた。