またまた久しぶりの実家。




「・・で?1000万は、どうしたの?」




姉の質問に私は、笑顔で答えた。




「もちろん、取り返したに決まってんじゃん。ほら。」




私は、札束を姉に見えるように広げた。




「あんた、最初から奈央ちゃんにお金あげる気なんか無かったんじゃないの?」



姉が笑う。




「どうでしょうねー。」




私は、意味深な笑顔で返した。



アットホームは、私達に10億円もの金を騙しとられ倒産した。




「強制捜査の際には、こちらの隠し口座にそちらのお金を移させていただきます。」



姉は、頭を下げて提案した。




強制捜査の際、不正な利益が見つかるとまずいと思うので、こちらで、隠蔽させていただきます。




うちの会社もその方法で、助かりました。




姉は、ひたすら謝罪する。



精一杯の誠意と、切羽詰まった状況。




契約書がある限り、うちの会社がお金を持ち逃げすることは、無い。




その事もあって、アットホームの社長は、まんまと騙され、隠し口座にお金を移した。




実際は、あんな紙切れ、無効だ。




この件は、これで終了。




今も、アットホームの社長は、幸せカンパニーを捜し、彷徨っていることだろう。