もうすぐ刑事が家宅捜査にやってくる。




私は、口を開いた。




「奈央・・あんたは、私の友達なんかじゃない。」




私は、奈央の瞳を見据えた。




奈央から笑顔が消えた。




「え?何?」




突然の言葉に奈央は、困惑している。




私は、続けた。




「私には、薬中の友達なんていないの。」




奈央の表情がわずかに曇った。




やはり、ビンゴか・・・。



奈央の表情で確信した。




「奈央、あんたはもう、やり直せない所まで、落ちてる。
今までの行い全て、反省しろ。」




それからすぐ刑事達がやって来て、扉を勢い良く開いた。




「神宮奈央、麻薬取締法違反で逮捕する。」




逮捕状を突き付ける刑事。



「何?」




奈央は、パニックに陥り、必死で私に助けを求めている。




そんな瞳をしても、私には、届かない。




「三井刑事、ご苦労さまでした。」




後輩刑事の声に無言でうなずき、この事件は、幕を閉じた。