いつもの喫茶店。




「もー、大変だったんだからね。」




来るなり姉が勢いよく私に文句を言ってきた。




「まー、そうだろうね。」



私は、苦笑いした。




アットホームの社長の激怒する様子は、容易に想像出来ていた。




「・・・でも、大成功!」



姉は、満面の笑みで、ブイサインを出した。




これで終了か・・・。




私は、面倒な仕事が終わり、安堵した。




「この通り、ほら。」




姉が差し出した通帳には、アットホームが隠蔽していた利益の一部10億円が入っていた。




「10億ぱーっと使おうよ。」




姉には、本当に良心というものがないらしい。




10億か・・・どうしよう?そんなことを考えていると、電話が鳴った。




探偵事務所からだ。




「この前頼んでいた件ですね・・・やっぱり、はい分かりました。」




電話を切る。




まさか、こんな結末になるとは・・・。




落胆しながらも私は、奈央に電話をした。