「はい。」

プリントが回ってきた。



━━…ちゃんと、問題が簡単なのになってる…。でも、最後の方の問題になるにつれて、少しずつ難易度が上がってて…。



先生、
なかなかやるじゃん。



私は、先生の方を見た。



すると、先生は既に、こちらの方をを見ていた。

というか私を。



先生は、ニッと笑った。


━━━もしかすると、そのサインを送るため、私が気付かないかと待っていたのだろうか。

いや、きっと、十中八九そうだろう。





私も、微笑い返した。





みんなはきっと、プリントに必死で、私たちがサインを出しあっていたことになんて、気が付かなかっただろう。





私はもちろん、全問正解だった。