「大体の事はオヤジに聞いたけど。喧嘩は大した事なかったんだろ?」

「……うん」

「あ、そうだ。オヤジに『マユミに連絡するから』って伝えて来いって言われたんだけど?」

ああ……それもあった。

やっぱりマユミさんに連絡すんのかぁ。

これはちょこっと凹むな。

でもまあ、いくらマユミさんでもこんなトコまでわざわざ怒りになんて来ないだろうし。

緊急事態ではない。

非常事態なのはずっとここにいるかもしれないって事なんだ。

ずっと高校生活を送んなきゃなんないって事なんだ。

はぁぁぁ。

ため息をつく私のおでこをアッキーがグイッと押した。

お陰でベッドに腰掛けていた私はそのまま後ろにひっくり返る。

ひっくり返ったまま頭上を見ると窓から星が見えて、その下の壁にはボールペンで書いたらしい落書きがチマチマとあった。

「も~。アッキーこんなトコに落書きしないでよぉ。汚いじゃん」

「あ?悪ィ、悪ィ」