普段はすかした顔して、たまに人を寄せ付けなくなる高藤が必死な顔してるのが面白くて。

「タキッ、早くしろッ!早くぅ!!」

と叫ぶ中山が楽しそうで、気がついたら一緒になって高藤を押さえ込んでた。

そして『てめ~らッ!覚えとけよ』と叫ぶ高藤の肩にビニールを被せて、中山が一気にスプレーを噴射して。

数分後、見事に黒髪の高藤が出来上がった。



高藤が乱暴に椅子に体を投げ出すのを見ながら

さっき高藤の投下した爆弾は不発弾だと実感する。



爆発しない──

くすぶるだけ──



ああ、色々考えるのってホント、得意じゃない。

私バカだから。

私は席に着くと目を閉じた。