だって、それって私じゃん?

ちょっと前の私じゃん?

ありのままでなんていられなくて、自分を偽ってたのはどこの誰だよ?

それならこのゴリラみたいに、いつも自分に素直でありのままでいられるヤツの方がよっぽどマトモなわけで。

あぁ……。

情けないのは私かぁ……。

私か。

そんな私の地を這いつくばるテンションなんてまるで気にしない中山が隣で声をあげる。

「あ、マコだ!これこれ~、はい頭出して」

「げッ!」

教室に入って来た眠たげな高藤が珍しく目を丸くして逃げようとする。

「うわッ、止め、止めろッ!」

「動くなッ!タキッ、とっ捕まえて!!」

中山がスプレーを噴射するのを器用に避ける高藤。

「……ぷッ」