自ら望んだ孤独だけど──

やっぱ今日はどうもそれに耐えられそうにない。

調子が出ないのは、きっとアッキーが朝からあんな事言ったからだ。

寂しいのに人から離れたい……。

そんな矛盾を抱えて、私は体育館の入り口を左に曲がり、体育館裏へ向かった。

体育館の周りには砂利が敷き詰められていて、歩く度にザッザッと音がする。

そして私がもう一度左に曲がって目的地へ足を踏み入れた瞬間

「……高藤?」

銀色が壁に背中を預けて座っていた。

「……あ、吸うか?」

高藤はちょっと曲がったマイルドセブンを差し出す。

「いらない」

「……女は吸わん方がいい。体に悪いから」

「……意外とオヤジくさい煙草吸うんだね」

「あ?……んなの気にしてられっかよ。くだらねぇ」

……バッサリ。

言うよねー。

相変わらず取っ付きづらいヤツだ。