学校での時間は窓の外を見てればすぐに過ぎてしまう。

前に中山、横に高藤の席があるから外野も静かだし。

ただこの双壁がなくなる体育の時間や家庭科の時間は苦手だ。

私は高藤と中山に守られてる……。

結果的にだけどさ。


双璧のない授業では誰も私と目を合わさない。

いや、目が合っても睨まれるか逸らされるか、だ。

どちらにしても女子の皆さんが私を嫌いな事には変わりない。

人に嫌われるって事はそれだけですごく疲れるモノだってここに来て気がついた。

その孤独にたまに耐えられない時がある。

たとえば今──

「センセー、お腹痛い……」

視線が痛い──

私は古典的な方法で見事にバレーボールの授業から抜け出した。