「ええええええ!!!!」

それはある意味、私とアッキーの結婚宣言より事件じゃね!?だって

「留年!?2年!?うぇッ~!」

と叫び続ける私の耳に『ちょっと黙っとけ』とアッキーの右手が伸びて来て、私は腰から砕けた。

チキショー!!アッキー覚えとけよ!

「中山、それ誰に聞いたんだよ?」

「……晴海先輩にそこの便所で」

「……じゃ、確実って事かぁ。……マジかよ」

「……マジみたい」

なぜか中山と黒田は眉間にシワを寄せて高藤を見る。

すると高藤がニヤッと笑い

「1万ずつ出せ」

と手のひらを見せた。

え……?なに?なに?

『なんだよ。2年とか留年するか、普通』とか

『なぁ。アホすぎじゃね?クソッ!』とか

アッキーと中山が暴言を吐きながらそれぞれの財布から諭吉さんを高藤に献上している。

……ま、さか?まさか?

気が付けばいつの間にか耳の異物はなくなっていて、自由になった体で私が『そんな賭けしてたの!?』と叫ぼうとした時、

「普通じゃなくて、アホすぎで悪かったなぁ」

この世のモノとは思えない重低音が響いた。