「ええええ!!」

叫ぶ私とは対照的にアッキーは

「ガキの戯言じゃねぇかよ」

と小さく笑うだけで。


「いやいや、筒井筒だ」

と自慢気な婆ちゃんに今度こそ訊いてみる。

「ねぇ、筒井筒ってなに?」

「伊勢物語の二十三段の事だよ。有名なトコだから調べておいで。ほらッ、遅刻するぞ?」

煎れてもらったお茶を一口飲むと私達はバタバタとバイクに乗り込んだ。