「鼻血……出そう……」

そっと離れた形のいい唇を見ながらこう呟いてしまった私。

「どこまでムードのない奴なんだ、お前」

とゲラゲラ笑ったアッキーは

「安心しろ。……すぐにお前の好きの重さに追いついてやるから」

と偉そうに口角を上げた。

「なにそれ?意味不明じゃん。てか私、アッキーを好きだなんて言ってないじゃん」

精一杯の強がりに照れ隠し。

ホントは

キミに夢中──

「ばーか」

アッキーの右手が私の髪を乱暴に撫でると後頭部にまわった。



“愛しとーよ、タキ”


2度目のキスが降りて来る。