冬休みに入るとすぐにクリスマスで。

クリスマスイブはアッキーは暴走に行き、私はトモ婆ちゃんと過ごした。

寝そべって観るテレビとちゃぶ台の上のみかん。こんなイブも悪くない。

『クリスマス?イブ?またケーキか!?蒸しパンでいいか?』そんな婆ちゃんに、一応クリスマスプレゼントとしてお箸をあげると、婆ちゃんは『ありがたいねぇ』とそれを仏壇に飾っていた。

「ねぇ、婆ちゃん、ずっとクリスマスってなにしてたの?」

自分で訊きながら泣きそうだった。1人で過ごしている小さな背中を想うだけで。

クリスマスなんて年寄りには関係ないからねぇ。けど……去年のクリスマスは夕方までアッキーが居間で寝てたよ。優しい子だよな、と婆ちゃんは笑った。

「ごめんね、婆ちゃん」

「いーよ。気にするな。静かなのも好きなんだよ」

トモ婆ちゃんはカッカッカッと独特な笑い方をする。

これからはちゃんと遊びに来るからね。

イブの夜、私は簡単に荷造りをした。