「中山、似合うよ。その髪」

そう言った声がちょっと震えていて、気がついた。

私感動してんじゃない?コイツらの友情に。

あぁ、視界までぶれてきた。

「あ、やっぱ?悔しいからアイツらには言わねぇけど。実は俺も嫌いじゃねぇんだ、この髪」

こう笑った中山は私には眩しすぎて目を伏せた。

ここ浦ヶ崎で、私はいいモンを見せて貰ったと思う。

私には眩しすぎるほどの友情。

残念ながら不毛な恋までしちゃったけど。

それを差し引いたとしても

それでもやっぱりここに来て良かったと思える。