青空をバックにして、キラキラと映える真っ赤。

逆光でどんな顔してんのかは分かんないけど、髪は風で揺れる度に赤やオレンジに色を変え、綺麗だった。

ドキドキがバックンバックンに変わっていく。

アッキーはもう大丈夫。

アッキーが『ブタちゃん、何とか言いなさいよ』と小さく毒づく。

「アッキーはもう平気だし」

「あ?何が?」

「本当に終わりに出来たんだし。もうゴリラがエロ全開になる事もないし」

「…………」

「キミ達の友情は永遠だし。空は青いし」

「……なに訳分かんねぇ事言ってんだ?」

「なんかちょっと私も“居場所”を作れる気がしてきたから──」

今なら帰れる……そんな気がして。精一杯の笑顔を向けた。

私を覚えててね──

そんな私に降って来たのはやっぱり『……ホテル行くか?』と言う何とも下品で、何の脈絡もないセリフだったけど。

でもそれは声色だけなら、まるでふざけた感じもなく。

逆光の視界の中でアッキーは『てか、お前、そんなどっか行っちゃうような事言ってんじゃねぇよ』と髪をかきあげた。