そして──

再び始まった鼻歌が止まったのはサビに入る直前で

「……タキ、今度のクリスマス暴走連れてってやろうか?お礼代わりに」

サビの手間で取り残された私は妙にスカされた気分になりながら答えた。

「……はぁ?……お礼なんていらないし、暴走なんて連れてってくれなくて結構だし」

てか、“暴走に連れて行く”のってお礼になるのか?

「そう?じゃあ、この借りは身体で返すか?エロ全開のゴリラからピンクのチケット貰って、ホテ──いってぇ!足踏むな!」

「ホテルとか言うな!」

顔が赤くなるじゃん!!

「“ホテイトモヤス”かもしんねぇじゃねぇかよ!!い、いってぇ!グリグリすんじゃねぇ!」

「話の流れからいって布袋寅泰なハズないだろうがッ」

「ぐぉ!お前、人様の足の上で爪先立ってんじゃねぇ!!」

顔をしかめて『てめぇ、体重何トンだ!?』と古典的なギャグを披露するアッキーを見上げた。