すぐにピンと来た。

5千円と言えば、あの賭けに違いない。

テルさんだけが“高藤が別れる”方に賭けてたから、この金額は1万を晴海先輩と半分にした金額って事で。

「中山に渡しとけ。アイツの取り分だ」

この人ってやっぱ鬼だッ!

なぜ今?なぜアッキーがいる今言うの!?

しかも楽しそうだし。

「……なんすか?それ」

ほらみろ。案の定、アッキーの顔が険しくなってきちゃったじゃん!

「これ?約半年間の中山の心労をねぎらう金だ。お前らゴリラに心的ストレス与えたろ?」

これを聞いたアッキーが“心労”と“ストレス”の意味を理解したのか、フッと小さく笑う。