なぁ、話あんだけど……、と昼休みの教室で、私の机に軽く腰掛けた真っ赤は偉そうに言う。
あの日、病院で高藤から風邪をもらってしまった私は見事に寝込み、学校に復帰したのは1週間程してからだった。
そして1週間後の教室で、席で爆睡する高藤の髪に小さな紙吹雪を降らせながら、アッキーは『……屋上行くか』と続けた。
銀色の髪に降り積もる白い紙が雪みたいだ、とか
この2人を包む空気が柔らかいとか
そんな事を思っていた私に静かな緊張が走る。
聞きたいようで聞きたくないような。
「あッ!黒田とタキが屋上で変な事しよーとしてるー!」
前の席で漫画を読んでいたハズのゴリラがウホウホしながら私達を振り返る。
やっぱりゴリラは空気を読まない。元々読む気もないらしいと最近感じるけど。
けど、あの日の出来事としてハッキリとミサキへの想いを聞くにはまだ十分過ぎる程に心は軋んで
「あ、忘れてた!はい、マコの分」
と寝ている高藤の半開きの口にピンクの紙を入れるKYなゴリラにちょこっと感謝した。
あの日、病院で高藤から風邪をもらってしまった私は見事に寝込み、学校に復帰したのは1週間程してからだった。
そして1週間後の教室で、席で爆睡する高藤の髪に小さな紙吹雪を降らせながら、アッキーは『……屋上行くか』と続けた。
銀色の髪に降り積もる白い紙が雪みたいだ、とか
この2人を包む空気が柔らかいとか
そんな事を思っていた私に静かな緊張が走る。
聞きたいようで聞きたくないような。
「あッ!黒田とタキが屋上で変な事しよーとしてるー!」
前の席で漫画を読んでいたハズのゴリラがウホウホしながら私達を振り返る。
やっぱりゴリラは空気を読まない。元々読む気もないらしいと最近感じるけど。
けど、あの日の出来事としてハッキリとミサキへの想いを聞くにはまだ十分過ぎる程に心は軋んで
「あ、忘れてた!はい、マコの分」
と寝ている高藤の半開きの口にピンクの紙を入れるKYなゴリラにちょこっと感謝した。