お前に謝る気なんてねぇぞ、こう言いながら真っ赤は偉そうに部屋に入って来た。

ガシャンガシャンと私の隣のパイプ椅子を前後逆にし、あからさまに両足を開いて座る。

そして椅子の背に腕を乗せ、その上に顔を乗せた。

「飲めよ。お前のゴリラハニーからだ」

と投げ出されたのは地元名物マックスコーヒー。てか“ゴリラハニー”って……。



「マコ。今日は言わせてもらうけどな、“かわいそー”とか、よく分かんねぇけど俺に“すまねぇ”とか、そういう目を向けるんじゃねぇ。金輪際、絶対に向けんじゃねぇ!!ムカつくんだよ」

アッキーのいきなりの喧嘩腰にハラハラしながらベッドの上の様子を伺うと、高藤は無言でアッキーを見ていた。

とりあえずまだ大丈夫……か?

「俺が誰を好きだろうとお前にゃ関係ねぇ。俺の問題だ。……けどな、お前が俺を“かわいそー”とか思ってると思うだけで、鼻血が出そうな程ムカつくんだよッ!」

まだイケるか?それともナースコールか?

高藤の眉間のシワがハッキリと見て取れるんですけど?

てかなに?このアッキーのテンション。