「1人、ね……。そこ座れ」

私、犬?なんて思いながらベッド脇のパイプ椅子に座った。

ああ、完全に疑われている気がするのは気のせいか?

ドキドキする私とは対照的に高藤はゆったりとした仕草でベッドの背を起こし、雑誌を開く。

あぁ、このままやり過ごせたらいいな、なんて願う私に無情にも

「……なぁ、お前黒田の事どう思ってんの?」

小さな爆弾投下。

「は?……はぁ?」

「黒田をどう思ってんだ?」

……この男からこんな言葉が発せられるなんて。

まさか恋バナしなきゃなんないの?コイツと?

嘘だよね?

けど高藤の綺麗な顔がジッと真顔で返事を待っているから焦ってしまった。

「ななななんでそんな事訊くの?それこそ高藤には関係ないじゃん?」