「高藤、下は今混んでたよ?すっごい混んでた」

「……休日にか?」

「…………」

私のバカ。すっとこどっこい。

「いや、高藤ケガしてんだから歩かない方がいいって。うん。何なら私が見てくるし」

高藤はジッと私を見て、それから

「……黒田と来たのか?」

と訊く。

「ん?1人で。1人でここまで来た」

エレベータからは確かに1人だ!!嘘ではない!!

「う、嘘じゃないよ?いつも私とアッキーがセットだと思ってるならそれは大間違いなんだよ?」

「……そうかよ」

合わせた視線を先に反らしたのは高藤だった。

つまんなそうに高藤はまたベッドに戻り、私はひとまず胸を撫で下ろした。