高藤の病室は最上階にあって、ちょっと高そうな個室だった。

ドアの横、白いプレートに書かれた“高藤誠様”の文字を見てゴクリとつばを飲んだ。

深呼吸してドアを開けると視界は真っ白。

「……こん、ちは」

病室はL字型をしていて、入り口からはベッドの上の足先の布団の膨らみしか見えない。

「……高藤~。お見舞いに来たよ?」

そろそろと中に足を進めると

「おお……」

と眠そうに目をこする高藤がいた。

どうやら起こしてしまったらしい。

てかパジャマなのに、髪もボサボサのハズなのに格好いいのがズルいと思う。

世の中は不公平だ。

だから嫌いだ。