「へ?」

『夕べッ!電話したんだよッ!!』

ああ……確かに電源切ってた。

あっちの友達からのメールを返す気分にもならなくて、ましてやあの沈んだテンションで電話なんて出たら『タキ、つまんなくなったね~』なんて言われるんじゃないかって不安で。

だから電源切っちゃったんだ。

「お婆ちゃんの電話にかければいいじゃん」

そう。立派な固定電話があるんだからさ。

『ヤダよ』

……母はどこまでも反抗期らしい。

「……で、用事があったの?」

『はぁ!?……いいよ。もう。昨日じゃなきゃ意味ないし!!それにアンタが元気ならいいよ』

「……元気だけど」

『ならいいよ。じゃ、またね』

不機嫌そうな声を出して一方的に切られた電話。