急にゴリラの目が見開かれる。

もしや?何?

「2日ぶりの便意~!」

「…………」

マジ何者?はかりしれない。

「こいつを逃してなるものか!!」

……ゴリラのトイレ事情なんて知りたくなかったし。

トイレに向かう中山がドアのところで振り返った。

あぁ、言い忘れたけど、ちゃんとお前の事も心配してるぞ?と、お尻を押さえるゴリラ。

ぷ。

早くトイレ行けよなぁ。

あ~あ、やっぱ闇討ちなんてできやしない。

でも……どっかでホッとした自分がいた。



ふと視線を走らせた窓の外は今日も強風が吹き荒れて、グラウンドの土が舞い上がっている。


「あ……」

ポケットで揺れる携帯を開くと画面に『マユミさん』の文字。

「……もしもし?」

珍しく電話してきたと思ったら

『あ、やっと出た!!アンタなんで電源切ってんのよ!?』

いきなり怒鳴られた。