「駅前のホテルと言えば、“ホテル・イン”はムーさんの愛人という噂の──」

なんてムーさんが聞いたらもの凄い勢いで竹刀が飛んできそうな事を口走る中山を上目遣いで見る。

「何のマネだ?あ、オカマか?」

……失礼すぎだろ。

「んで、お前とアッキーがニャンニャンして、クニャクニャ、ポンポンする予定のホテルだけど──」

……その予定はない。

てか、ポンポンって何?

たぶんわざと私が閉口しそうな話題を選んでしているゴリラ。

「受付のパートのおばちゃんにチクられるから」

まだしぶとく喋る中山の顔をもう一度ジッと見つめる。

「ねぇ。中山だって心配してんでしょ?」

「ホテルに制服で行く時は気をつけろよ」

「あの3人、高藤とアッキーと……ミサキ」

中山の眉がピクリと動いた。

「タキ、やっぱ避妊はしないと──」