「──だから最近のアイツは、罪悪感の塊だろ。タケルの話も自分の過去も、ミサキに嫌われるんじゃないかって恐くて話せない。そんなイライラした臆病狼に成り下がってやがる」

チッと、なぜか晴海先輩は舌打ちをした。

「暴走堕天使継がせるって話も今のアイツじゃ無理だし。このままいったら、たぶん黒田になるだろうな」

てか、それって高藤は確か嫌がってたのでは……?

いや、私はそれはどうでもいい。

ホントどうでもいい。


ただ訊きたいのは……

「なんでそんなに詳しいんですか?」

今までの話、“ただの想像だ”とか言われたらたまらないし。

「あ゛?マコトが前にすっげぇ酔っ払った時に愚痴ったからだ」

「はぁ!?」

愚痴るの?あの孤高の“唯我独尊男”愚痴るの!?

酔っ払う?想像できねぇ!

アイツまだガキ臭くて可愛いよなぁ、と晴海先輩は目を細める。

可愛いなら賭けの対象になんてしなきゃいいのに。

高藤、人を見る目がことごとくないな。

可哀想に。

信用して、愚痴って……賭けのネタにされてりゃ世話ないよ、ホントに……。