帰った家には父もいなかった。



アユミさんのとこか、会社か…。



あたしもバイトに行った方がイイのかな…。



店長は事情を話したらいつでもいいって言ってくれたけど…。



でも何かしてた方が気がまぎれる…。



そう思ってバイト先に行った。



「遊和っち大丈夫なの?」

「記憶…なくしてました…。4年間分」

「それって…」

「あたしも忘れられちゃったみたいな?ははっ…」

「だったらもう1回好きにさせちゃいな」

「えっ?」

「サチは頑張るコでしょ?」



店長の言葉が嬉しかった。



あたしはまだ頑張ってもいいんだよね?



そばにいたいから…もっと頑張っていい?



泣かなくていい?



片思いの時に戻っただけ…。



これから好きにさせたらいいんだ…。



そう思うと少し気持ちが軽くなった気がした。



「店長、リング作りたいです」

「遊和っちにやるの?」

「もちろん!!」



あたし、頑張るね?