「これで診察は終わり。個室から相部屋に移動でもいいかな?有貴くんぐらいの年の子が集まる部屋に、1つ余ってるベッドがあるんだ」


入院生活が楽しくなるようにと、先生からの小さな気遣い。

どうせしばらく動けないのなら、話し相手が欲しいところだった。


「是非、お願いします」

「うん。部屋は、605号室だから」

「はい、ありがとうございました」


母と兄貴も立ち上がって、お礼を述べた。

先生の笑顔を背中に受けながら、診察室を後にした。


初めての入院生活。

一体どんなことが俺を待ち受けているのだろう……