眩しい光が射し込むのを感じて、重い瞼を開いた。
視界に広がるのは、見慣れない白い天井。
俺…今、入院してるんだっけ。
身体を起こそうと試みたが、それは叶わなかった。
特に右半身が言うことを聞かない。
早く、流羽の顔が見たい。
こんな時、思い浮かべるのは、やっぱり流羽の顔。
昨日のことは、今でもあまり信じられない。
夏休み、必ず答えを出すからと言われ、その言葉を信じてずっと待っていた。
だけど心の奥では、答えなんて出されないのかもしれない。
流羽は優しいから、俺に気を遣ってそう言っただけなのかもしれない。
そう思うこともあった。
そんな俺からしてみれば、昨日の出来事は本当に夢のようで。
夢のようだけれど、唇に残るあの感触が、紛れもない証拠。
昨日の出来事を振り返っていると、突然病室の扉が勢い良く開かれた。
もしかして…流羽?
そんな期待を込めて扉へ目を向ける。
しかしその期待は、呆気なく崩れ落ちた。