長かった夏休みが終わり、遂に2学期がやって来たそんなある日、クラスでは今月末にある運動会の選手決めをしていた。
もっとも、俺は話し合いに参加するほど暇ではないのだ。
俺の脳内は常にフル回転。
恋って忙しい。
「有貴…俺な、俺っ、有貴のことが……うわっ!?」
「流羽は、俺の嫁だ。…俺だけの…な?」
「……好きだよ、有貴…」
───ひしっ!
ふふ…我ながら完璧な告白プラン。
そうだなぁ、予定では…いや、予定とかじゃねぇな。
雰囲気だ。
告白は雰囲気が大切だ。
それっぽいタイミングを見計らって、告白。
よし…!
「運動会の種目、流羽はリレーと障害物競争な?」
「えっ、うん…?」
訳もわからず、成り行きで頷いてしまった。
「じゃあ頼んだよ!クラス対抗リレーのアンカー!」
「おー!さすが流羽!頑張れよー」
クラス中から沸き上がる拍手。
まさか、俺がアンカー!?
クラス対抗リレーの!?
周りをキョロキョロと見渡せば、誰しもが暖かい目で頑張れと手を叩いている。
この光景、俺からしてみれば、なかなか恐ろしい。