「そういえば、城崎さんから聞いたんだけどね、野球部の三浦くん、最近付き合い始めた人が出来たらしいよ」
「三浦って、キャプテンのか?」
「うん。相手の子、噂だとすごく綺麗な人らしいんだけど…三浦くんには、これといって親しい女の子はいないんだって。本当に彼女いるのかって城崎さんが不思議そうにしてた。絶対あたしが最初に突き止めるーって」
「へぇ…噂好きの城崎らしいな」
帰り道、柚里からそんなことを聞いた。
付き合い始めた人って…まさか。
いや、そんな訳無い。
いくら最近、有貴と仲が良いからって…
男同士で付き合うなんてこと、あるのか?
ない…ないないない。
それに三浦だろ?
有貴が1度フった相手だし!
…でも柚里だって俺を1度フったけど、今はめでたく付き合ってるから、有り得なくは無いか。
つか、最近俺の考え事の時間長すぎじゃね?
ヤバい。俺って実は結構知的なのかも…
途中、柚里と別れてから家に着くまで、普段あまり使うことの無い脳を、フル回転させていた。