3年越しの片想いに終止符が打たれたあの日から、約1年半。
夢にまで見た毎日を俺は過ごしている。
遠くから眺めることしか出来なかったあの笑顔も、全部俺のモノなんだって思うと、それだけで満たされた気さえした。
「幸村ーっ!よかったじゃないの!もうね、あたしは娘を嫁に出す親の気持ちだよ…。2人共、幸せになりなさいよっ」
俺と柚里が付き合うことになったと報せを受けた城崎は、俺達の肩を叩きながら祝福をしている。
その目には、嬉しさのあまり、うっすらと涙が滲んでいた。
「城崎さんったら、大袈裟だよー」
苦笑しながらも、嬉しそうな柚里。
「だって、本当に嬉しいんだもん…っ」
「本当にありがとな。城崎のお陰でもあるよ…感謝してる」
自分で言っていて、少し照れ臭くなった。
「とにかく、やっと結ばれたんだから、お互いに傷付くようなことはしちゃ駄目だよ!特に幸村っ」
「うっせぇな…城崎はお節介過ぎ。俺だってそれぐらい承知してるから!」
俺は柚里を見やった。
やはり目が合い、2人で顔を見合わせて笑った。