「流羽、何で体育出なかったんだよ!サッカー楽しみにしてたじゃん」

「ちょっと…いろいろあってな!」

「まさか…お前…!」

「ん、何?」


彼の視線は、首筋の傷に向けられている。


「…キスマーク」

「はぁ?何言ってんの…これは只の傷だ」

「違ぇよ。流羽、知らないで付けられたの?その傷がキスマークなんだよ」


彼は俺を気遣ってか、小声でそう言った。


「てっきり香坂さんにしか興味無いのかと思ってたけど…流羽は可愛い顔してるもんな。しょうがないか」


キスマークだと知った瞬間首から全身に熱が伝わっていくのがわかった。


「このこと、誰にも言わないでくれるか!?」

「言わないけど…これがキスマークってわかるヤツは本当に少ないと思うよ?」

「そうなんだ…よかった。サンキュな」


俺はホッと胸を撫で下ろした。

けれど有貴への様々な思いは、募る一方だった…