「えー、俺の服じゃ流羽にはデカイかなって思って…それに去年の文化祭、ニコニコしながらメイド服着てたろ?」


思い出される、俺の黒歴史。


「あれは営業用だ!…しかも有貴のがデカイって…5cmぐらいしか変わらねぇじゃんか!」

「デカイって何の話?流羽…変態」


嘲笑気味に俺を見る有貴。


「うるさい!変態はお前だ有貴!メイド服着るぐらいなら、俺は自分の服を着て寝る。少し気持ち悪いけど…」


さっき畳んで籠の中に入れた筈。


「流羽の服、クリームやらなんやらですごかったから洗濯機の中…」

「えー!?そんな…っ、俺の一張羅…」


洗濯機の蓋を開けると、泡の中でぐるぐる踊る服の姿が。


「じゃあ、寒いけどパンツだけで寝る」

「駄目。風邪引くでしょ?これ、スースーするのは多分脚だけだから。ちゃんと着なさい」


笑顔と言っても、目が笑っていない表情を投げ掛けられながら、メイド服を押し付けられる。


「…やだ」