「ゆっ…、有貴ぃ!来て!つか早く来い!」


洗面所から響くその声に、どうしたものかと言った表情で、有貴は洗面所の扉を開けた。


「何?パンツ1枚でギャーギャー騒いで…」


呆れ気味で、少し大袈裟に溜め息を吐く有貴。


「こっ…これ、俺に着ろと…?」


恐る恐る、例のブツを指差す。


「あぁ、メイド服?兄貴の趣味だから気にしないで」


そんなことかぁ、と有貴はにっこりと笑う。

俺からすれば、この状況、全く笑えない。


「無理!無理だから…このやろっ変態がぁっ!」