「えっと、幸村流羽っていいます!」

「流羽くんかぁ。有貴のお友達だよね?いつもどうもー」

「いやぁ、こちらこそ」


互いに笑顔を交えながら、握手を交わした。


……って、俺がお兄さんと仲良くしてどうする。

有貴とお兄さんの仲を何とかしようとここまで来たというのに。


有貴に視線を送ると、眉間に皺を寄せ、黒い表情でこちらを見ていた。


「兄貴に聞きたいことがあるんだけど」


少し棘のある感じで有貴が言った。


「ん、何?立ち話もなんだし、とりあえず家入ろっか」


お兄さんに招かれ、玄関に足を踏み入れる。