達した後特有の倦怠感に襲われ、ソファーの上でぐたりとする。


「流羽…すごく綺麗だ…」


未だ赤みの抜けない頬を優しく撫でられた。


「……っ、有貴は…大丈夫か?」

「何?俺の相手までしてたら流羽、壊れちゃうよ?俺は平気。流羽の顔見てるだけで満足…」


有貴が向けてくれる笑顔に酷く安心した俺は、そのまま少しの間、眠りに堕ちていった──


「あれ…っ、俺寝ちゃったのか…」


目を擦り、壁に掛けられた時計を見れば、午後9時を回っていた。

かれこれ2時間程眠っていたようだ。


乱れていた筈の服はちゃんと元のように着せられていて、腹から下には薄い毛布が掛かっていた。

そんな有貴の心遣いが温かい。


身体は大分楽になった。

けれど、胸から下肢にかけて、生クリームの甘ったるい匂いが鼻を突く。

そして砂糖でベタつく。

上体を起こし、辺りを見回すが、有貴の姿が見当たらない。


「おーい、有貴ー?」