────3年後。
俺が中2になった今も、兄貴との身体の関係は続いている。
情事の時の兄貴は相変わらず冷酷で。
肌を重ね始めた当初は、兄貴を信じようと、好きで居続けようと努力した。
だけどそれが、意味を成すことは無く。
いくら好きになろうとしても、見返りが大きすぎて、俺には堪えられなかった。
もう昔のように“智兄”とは呼べない。
大好きだったあの頃の“智兄”は、俺の前から消えてしまったのだ。
兄貴の冷えきった部分を知って、兄貴を怖いと思うようになった。
身体を重ねる時だけ温度を無くす目が、怖くて堪らなかった。
だけど、兄貴を嫌いになれない自分がいた。